サスペンダーとは?メリット・デメリットやスーツと合わせるポイントを解説
サスペンダーは、スーツスタイルにおいて長い歴史を持つクラシカルなアイテムです。かつては英国紳士の必須品として広く愛用され、パンツを美しく見せるための機能性と、装いに品格を添えるデザイン性を兼ね備えていました。
現代ではベルトが主流となったものの、サスペンダーは再び注目されつつあり、シルエットを整える役割やアクセントとしての魅力が評価されています。ジャケットを脱いだときに見えるさりげない存在感は、装いを一段と洗練されたものへと引き上げます。
本記事では、サスペンダーのメリットやデメリット、さらに選び方について解説。スーツの着こなしの幅を広げたい方は、参考にしてみてください。
サスペンダーとは?
サスペンダーとは、パンツを肩で吊るす装具を指します。英国では braces (ブレイシーズ) という呼び名も使われ、スーツ文化の発祥とも深く結びついています。
また、スーツスタイルにおいてサスペンダーは「クラシカルさ+機能性」を併せ持ったアイテムとしての地位を再び得ています。うまく使いこなすことで、ワンランク上のスーツスタイルの実現へつながるでしょう。
サスペンダーのメリット
サスペンダーには、さまざまなメリットがあります。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
- 見せ方のバリエーションが増える…ジャケットを脱いだときにちらりと見えるサスペンダーを、コーディネートのアクセントに使う人も増えている。
- パンツのずれ落ち防止…ベルトに頼らず、ズボンを正しい位置で安定させられるため、シルエットが崩れにくくなる。
- プリーツや折り目をきれいに見せる…腰まわりの締め付けがないため、クリースやプリーツのラインが自然に保たれ、上品な印象を演出できる。
- スリーピーススーツとの相性抜群…ベストを着用するタイプでは、ベルトを使うと厚みが出てバランスが崩れやすいため、サスペンダーが理想的である。
使いこなすのが難しいイメージがありますが、サスペンダーには機能面でもデザイン面でもさまざまなメリットがあります。
デメリット
サスペンダーはスーツのシルエットを整える便利なアイテムですが、注意すべき点もあります。たとえば、生地が厚めで重いパンツを吊るす場合、肩に負担がかかりやすく、長時間の着用で疲れを感じることがあります。
また、ベルトに比べて着脱がやや手間取りやすく、トイレや着替えの際に煩わしさを覚える人も少なくありません。選ぶデザインによってはクラシカルさよりもカジュアル感が強調されてしまい、ビジネスやフォーマルな場にそぐわない印象を与える可能性もあります。
そのため、色や柄を落ち着いたものにし、シーンに応じた使い分けを心がけることが大切です。サスペンダーは工夫次第でスタイルの格を高めますが、TPOを踏まえた選択眼が必要といえるでしょう。
サスペンダーの選び方
サスペンダーはただ吊るすだけではなく、色使いや素材、幅などの細部に気を配ることで洗練された印象に仕立てられます。ここでは、選び方のポイントを2つにわけてご紹介しましょう。
色・柄は控えめが基本
ビジネスシーンでは、黒・紺・グレー・茶 など控えめな色味が基本となります。ネクタイや靴とのバランスを見ながらコーディネートしましょう。
フォーマルシーンでは、白または黒の無地を選ぶのが定石です。結婚式や正礼装では色の選択肢が制限されるため注意が必要です。
コーディネートに遊びを加えるなら、ジャケットを脱ぐシーンを意識して少しアクセントのあるストライプや細い柄を選ぶことも可能ですが、やりすぎるとカジュアル寄りになります。
適正な幅や素材
幅の適正は 3~4 cm 程度が一般的。細すぎると華奢に見え、太すぎると力強すぎて印象が崩れがちです。体型によって見え方は変わりますので、必ず試着をしたうえで、バランスを確認してください。
素材は、ゴム・伸縮性繊維・平織り布などがあり、引き締め感やフィット感に影響します。平織で伸びのあるタイプだと装着時の動きに合わせやすく、腰まわりが楽になります。
ベルト部分に革や組紐を使うものもありますが、ビジネスシーンではなるべく目立たず、薄手・控えめな素材を選ぶのが無難です。ジャケットを羽織ったときに浮いて見えないか、後ろ姿も必ず確認してください。
まとめ
サスペンダーは、単なるパンツを吊るす道具にとどまらず、クラシックな装いを完成させる重要なアクセサリーです。
英国紳士の着こなしに根付いた歴史をもち、近年では再び注目を集めています。ベルトでは得られない美しいシルエットを保てる点や、プリーツをきれいに見せられる点は大きな魅力です。さらに、スリーピーススーツとの相性も抜群で、洗練された印象を与えることができます。
その一方で、着脱の煩雑さや肩への負担、デザイン選びを誤るとカジュアルに見えてしまうなどの注意点も存在します。したがって、サスペンダーを使いこなすには色や素材、幅といった細部まで気を配り、TPOに応じた選択を心がけることが欠かせません。うまく取り入れることで、装い全体を格上げする心強いアイテムとなるでしょう。